2007/10/25
昨日はまたもや風邪で高熱を出してしまい、
昼前に帰らせて頂きました。営業のHです。
普段ならそれでも携帯出るんですが、ちょっとのっぴきならない体温でしたので、
あの方やこの方をガン無視すると言う、大変失礼な事しちゃいましたね。
・・・ごめんなさい。
ところで、表題の「ナッシュ均衡」について。
簡単に言うと条件によって「First Best」(最善の利得)を得ようとして
「Second Best」(二次利得)を得てしまう状態で均衡してしまう事です。
何?簡単じゃない?(笑
良く例に出されるのは「囚人のジレンマ」なんですが、曰く
ある事件において、共犯と思われる二人の被疑者A、Bが捕らえられた。 警官は2人の被疑者に以下の条件を伝えた。
・もし、おまえも共犯者も両方とも黙秘したら二人とも懲役2年だ。
・もし、おまえだけが自白し、共犯者が黙秘したらおまえは刑を1年に
減刑してやろう。ただし、共犯者の方は懲役15年だ。
・逆に共犯者だけが自白し、おまえが黙秘したら共犯者は刑を1年に
減刑してやろう。ただし、おまえの方は懲役15年だ。
・ただし、おまえも共犯者も両方とも自白したら、二人とも懲役10年だ。
・ただしA、Bは、別室に隔離されるなどされていて、(強制力のある)
合意を形成できない状況にあるとする。 また、A、B双方は、相手にも
同じ条件が突き付けられている事を知っているものとする。
このとき、囚人が黙秘と自白のいずれを選択するのがよい戦略で
あろうか?という問題です。
参照:wikipedia「囚人のジレンマ」
(関係ありませんが、コレを自己F×ckin’啓発に利用しているセミナーもあるそうです。
方法は・・・判りますよね?:笑)
First Bestとしては二人とも黙秘をすれば2年の刑期で済むのですが、
自由経済にあっては(←揶揄)お互いが他を出し抜いてでも自分の保身を図ろうとして
結果、Second Bestの「刑期10年」を引いてしまう事です。
上で揶揄的に「自由経済にあっては」と書きましたが(笑
この「囚人のジレンマ」は良く値引き合戦やエコ理論にも持ち出される事が多く、
結果的に最善な利益を得られる適正価格から、他に圧倒的な効用最大化を与えようと
値段を安くして利益の一部を放擲する事(値引き合戦)や、
エコロジーについて検討する事が結果的に長期的な商品や企業存続に
とって有利になるにも関わらず、短期的な利益追求のためにとりあえず考えない事
にする状態(エコ現状)です。
では、何故こうなってしまうのでしょうか?
もうね。すでに「資本主義の構造的欠陥」としか言えないかも知れません。
だからと言って共産主義的になるのが正しいとは絶対言いませんけど。
そして共産/社会主義が正しくないだろう事はここ数十年のロシア、中国を見ればお判りに
なるとおりです。
皆様が漠然と「ブランド化しなくちゃいけない」って考えていらっしゃるのは、
ここに問題があるのですよ。つまり
「ブランド化したい」⇒「単価を上げたい」⇒「利益を上げたい」
⇒「効用最大化原則を【三次元的】に脱却したい」⇒「First Bestを手に入れたい」
と言うわけなのではないかと思います。
参考になるかどうか判りませんが、ウチの親父(京都で隠居中)の現役当時のお話。
ウチの親父は大手商社に在籍していた時に「雨樋を売れ!」と高知県に飛ばされた時が
あるらしいのです。
その時、市場を調査してみると、見事なまでに値引き競争してたそうです(笑
「向こうが100円/mで出すなら、こっちは80円で出せ!しょうがないだろう!」
と言った風だったとか。
そこで卸しメーカーにいた親父が何をしたかと言うと、雨樋のエンドユーザー価格が
当時600円/mで売られていた事に眼をつけ、元々数が少ない&仲が悪い(笑
雨樋の問屋さん7社を全て呼びつけ、問屋協会を発足して価格協定を引いてみたんだそうです。
すると、懸念された流通量が減る事もなく、全体的に利益が上がって問屋さんに
「救世主」と呼ばれたんだそ~です。
(じじぃなので、多少の誇張も入ってると思いますが:笑)
これなんかは典型的な「ナッシュ均衡」を「パレート最適化」しなおしたいい例ですよね。
その話をする時の、ウチの親父の言い方がフルってます。
「わしゃな、言うたんや。
『例えばこの協会の中でも、抜け駆けして100円のモンを90円で売るヤツも
出てくるやろ。しかし、それはしゃあなかったんやと思ったって、ヤキモチ妬くな。
自分らが、「ほんなら」言うて安売り始めたらまた元の木阿弥でっせ?』
言うてな。
ほいたら、みんな
『Hさん、最近 雨樋軽く感じるんですわ。』
言うてエラい喜ばれたで?」
だそうです。